1976年に発表されたアルバム
”PRESENCE”の冒頭を飾る曲。
僕が中一の時、2歳上の姉貴は、自分が聞いて見たいもんだから弟である僕をけしかけてビートルズのベスト”Oldies”を買わせた。ぼくはそれでビートルズにのめりこんで行ったのだけれど、姉貴の部屋からはビートルズとは明らかに違う、不穏な音楽が漏れ聞こえていた。
ツェッペリンの4枚目とエアロスミスのロックス。
エアロの話しはまた。
なんだこのウネウネした奇妙な音は!ブラックドッグでした。なんだこの声が高いだけでヘタクソな歌は!ロックンロールのロバートプラントさんでした。
なんだこのドッスンバッタンうるさいドラムスは!ボンゾさんでありました。
ディープパープル、エアロスミス、はい、よく演りましたよ、ええ。
だけどツェッペリンとなると話が違います。
演ろうなんて事も思いつかない、それは鑑賞するもの。
ドラムスもベースもギターもヴォーカルも、てんでお話になりません。
中高生の僕らはこう思っていたはずです。
ステアウェイトゥーヘヴンのアルペジオ&ギターソロ、モビーディックやホールロッタラヴのリフ、出来てそんなもん。しかーし!四十路に入ってアキレスが出来るなら年齢食うのも悪かないぜ、なんて本気で思いました、今回。
以前から大好きな曲だったアキレス、うすうす思ってはいましたが、今回あらためて向き合ってみて、この曲の歌詞の素晴らしさには嬉しくなりました。
雰囲気な日本語詞も調子に乗ってホイホイ出来てしまいました。
驚くべき事に、サノヴァビッチ(ヘヴィーズのドラムス担当)がこの曲を演ろうと言い出しました。
人間、ヤル時ゃヤルっつーか、魔が差したっつーか、本人も後日50回程、後悔の言葉を口にしていましたが、どうですかお客さん、けっこーいいでしょ! ヘヴィーズのAchilles Last Stand、楽しんで頂ければ幸いです。
文:タイラ